トラウマ返しは子どもが命をはって人生をかけて送ってくるメッセージだから

トラウマ返しは子どもが命をはって人生をかけて送ってくるメッセージだから

思春期の子どもが、親に対して激しくダメ出ししたり、ひきこもったり、親に心の傷を返しに来ることを、「トラウマ返し」というそうです。親業講座に来られて「今、トラウマ返しされています」と言われた方に教えてもらいました。


この本のタイトルになっています。  


 

本の中で「親業訓練」が紹介されているんですよね(笑)


著者の小野修先生は、児童相談所長、精神衛生センターの心理判定員、スクール・カウンセラーなどを経験された、臨床心理士。

いわば、子どもの養育問題のプロです。


私もさっそく読みました。

 

思春期の子どもとの関わり方に悩んでいて、そして「親業」を知り、「これだ!」と日常会話の意識づけを頑張っているのに「なかなかしっくりとこない」という方にとっては、とても参考になるかもしれません。 

  • トラウマ返しとは何か?なぜ起こるのか?
  • 「子どもの気持ち」がどんなものなのか?
  • これから、自分がどうすればいいのか?

本を読む事で、今子どもの心に何が起こっているのか「今の状況から関係改善までの道のりのイメージ」ができると思われます。

 

紹介すると「本当に、読んでよかったです〜」と何人かの方に速攻で感想メールをいただきましたよ。以下、頂いた感想メールを紹介しますね。  


先日のブログで紹介されていた「トラウマ返し」を早速読みました。どうしても感想をお伝えしたくてメールをさせて頂きました!

思い返せば3年位前から娘は小さい頃の我慢していた想いを私に聞いて欲しくてトラウマ返しをしていたのに、私が娘の話を聞ききれず、むしろ反論して親の権力を使って娘の気持ちを押し込めていました。


聞いてもらえない娘の気持ちは「家を出たい」に繋がり、やっと私がおかん塾のブログに出会い「親業」を知る事になるのですが、親業講座を受講して、能動的な聞き方が出来るようになった私に、週1回(2回)ものトラウマ返しがつい最近まで繰り返されていました。

 

ただただ聞く事しか出来なくて、娘の事をどれだけ傷つけていたのかと落ち込んでいたのですが、 

「お母さんの落ち込んでいる顔は見たくない」 

と言われるし、じゃあ とにかく笑って向き合おう、と学んだ事を実践しながらの日々を過ごしていたところ、最近は落ち着いてきた娘と笑い合える毎日です。


ただ、またいつあの大波がやってくるのかという不安と、それに対してどう向き合ったら良いのか悩んで、娘の顔色を伺ってしまう私もいたのですが、この書籍を読んで、何故だか分からなかった事や、娘への向き合い方が一気に解消された気持ちです!


親業を知らなかったら、娘の行動も「反抗期」という言葉で片付けてしまい、トラウマ返しの受取り拒否をして、子どもが命をはって、人生をかけて、送ってくるメッセージを無視してしまうところでした。

 

本当に言葉には出来ない程の衝撃を受けました。

このタイミングで、この書籍を紹介して頂いて本当にありがとうございました!先生のブログがあってこそ、トラウマ返しも私の中で落とし込めたので、本当に感謝の想いでいっぱいです。


親業一般講座も年明けにあと2回を残すところになりました。しっかり学んで愛されおかん目指していきたいと改めて思いました。


今年、智子先生と出会えた事は、私の生き方を揺るがす大きな出来事でした。

ブログの発信、そして勇気づけられる言葉を本当にありがとうございます。

 

こちらこそ、ありがとうございました!わざわざ感想を書いて送ってくださいましたが、それぐらい、胸に響く「ビンゴ」な内容だったのですね。


実は、この本を読んだ時、個人的には「ちょっと難しすぎるかな?」と思ったのです。


あまりにも専門的だし、中身も濃ゆいので「これを理解して網羅するには10年くらいかかるのではないか」とさえ思いました。

 

ですが、この方にとっては、トラウマ返しの本当の意味や、子どもの微妙な気持ち、これから自分が何をするべきなのかなど、知りたかったことが全て書いてあったのですね。


かなり、希望になった様子がうかがえました。

 

私の場合は、親業を学んで行く中で、自分とも向き合った時に、娘への愛情の届け方が間違っていた事に気づきました。


娘は「私に愛されていない」と思い込んでいました。

 

過去に戻って幼い頃の娘との子育てをやり直し出来ない限り、娘の心の傷は癒せないのでは?と悩んでいたのですが、「トラウマ返しをする事で子どもは「生き直し」親は「育て直し」が始まる」とありました。


子どもも自分の中でケリをつけて、自分の人生を見直していけるのですね!

私にとっては希望の書です。

ドドドーンと純粋な愛でトラウマ返しもしっかり受け止めたいと思います!

本当に本当にありがとうございます!

 

あんなに「家に居たくない」と言っていた娘が、今は自宅にいる時間の方が長い位で、今日は「私、なんであんなに家にいなかったのだろう?」とボヤいている姿に涙が溢れそうでした。


先生の出会いから始まって今年は引き寄せの幸運に恵まれました。


私の親業ライフが皆さまのお役に立てたら嬉しいです!

 

こちらこそ、本当にご縁をありがとうございました。


母親の感受性が子どもの未来の扉を開く 

同じ本を読んでも、同じ記事を書いても、感じ方は人それぞれです。


それは受講生の方により「感性」つまり「情報のキャッチするアンテナ」が違うからだと思います。


自分がそれを「欲している」「求めている」という自覚を持つから、感度が高まり、情報がアンテナに引っかかって、道が拓けていくのだと思うのです。

ここね、すごく大切だと思う!

強い気持ちで「学びにつながるモノ」を引き寄せたんだと思うと、母の愛が伝わって来て、胸が熱くなりました。 

 

この方は、トラウマ返しは「子どもが命をはって、人生をかけて、送ってくるメッセージ」であり、「娘さんは、お母様に愛されていない、と思い込んでいた」と、本を読んで気づかれたのですね。

 

子どもが「親から愛されていないと思う」なんて、明らかな誤解なのですが、子どもにとっては「大問題」。なので、親は自分の都合で「なかったことにしない」で、さっさと済ませようとしないで、しっかりと、その意味をとらえて、子どもの「生き直し」を支えてあげたいものです。

 

あなたもそれを望んでいるはず。


そして、具体的にどうやっていけばいいか?を考えるときには「親業」で学ぶメソッドがお役に立つと確信します。


近年増えているトラウマ返し

最近、大学生や社会人になってから、うつ・パニック障害などのメンタル疾患にかかり、その親が親業訓練講座を受講するケースが増えています。

あれほどいい子で順調な人生だったのに、突然の落とし穴に親は、ビックリ!

そして、彼らの標的となり、鬱屈した気持ちの矛先になるのはほぼ「母親」です。

ここは「母親だからこそ甘えられる(←というか責められる)」とも言えますが、でも、子どもから責められる当事者としては、苦しいですよね(-_-;)

繊細な心を受け止めようと精一杯の努力で子どもの話に耳を傾けていても、

「あの時、お母さんがバレー部がいいと言ったから、わたしはバスケ部に入りたかったけれど、仕方なくバレー部に入った」

などと、「え??」と、記憶の片隅にもないような、遠い記憶のことを、今更ながらに責められてしまうのです。

そして、謝っても「謝ってほしくて言ってるわけじゃない」とか言われ、話を聞いても「そんな聞き方してほしくない」「褒めてほしくない」なんて言われることもありますから、彼らが言った事だけを鵜吞みにすると、本当に振り回されてしまいます。

トラウマ返しに対応するのは、一筋縄ではいきません。

親としては、子どもを助けたいのに「助け方」が分からなくて、「もう、どうすればいいの????」と追い詰められたように困ってしまうんですね。

そして、担当のカウンセラーの方に相談しても、「子どもの話をそのまま聞いてあげてください」と言われる一方で、「お母さんは変わらなくてもいいです」「聞きすぎることはありません」など、相反することを言われて「ものすごく困惑した」と言われる方もおられました。


座学では得られない“リアルな関わり方が見える時間”

親業訓練講座は、理論やノウハウは知っている方が、体験でしか得られない“腑に落ちる感覚” を得る講座です。

頭で「やり方」を知っていても、「できる」とは限りません。これは自動車の運転や、スポーツなどとまったく同じことです。子どもへの関わり方も、具体的な体験学習することで、はじめて落とし込むことができるようになります。

そして、誰もが「自分と子どもにピッタリのやり方」をするために、向き合って考えていかなければなりません。

彼らの傷ついた心に焦点を当てて、焦点を当てていることを子ども自身が実感するような「自分でできる聞き方の技能」が求められるのです。

これを、親業訓練講座で基礎からコツコツ学んでいきます。

以前、社会人になった娘さんの「トラウマ返し」の対応に苦慮されていた方が講座に参加されたことがありました。パニック障害を起こして東京の会社を辞めて実家に戻ってきた娘さんへどう対応したらいいかと学ばれていたのですが、親業で具体的なやり方を知った時、今まで学んできた知識が繋がっていくような感覚をお持ちでした。

「こういう事だったのか」と解釈して、自分の中でピタッと落とし込まれていく姿。後は「聞くタイミング」と「伝えるタイミング」を徹底して実践するだけです。

親子関係はあっという間に改善していきました。なんせ、「親としての考え方」は頭の中にバッチリ入っていましたからね。あとは「技能」の問題だったのです。

「考え方」と「具体的なやり方」が矛盾なくピタッとあうと、まるでパズルのピースがパチッとはまるように、彼女の中に腑に落ちていくのが感じられました。

すると、もう、悪くなりようがありません!

 

たった2か月の間で、親子関係が修復し、娘さんは外に活動を始め、就職が決まり、最後は彼氏も出来たと、嬉しそうに話されていました!


今まで学んできた知恵を、子どもへの関わり方の技能として変換しながら「聞き方」を変えた努力の賜物だったと思います。

 

自分の人生は自分で切り開くしかない

「トラウマ返し」では、親の愛が試されます。

親が人生のすべてを捧げて、与えても、与えても、時にNO!を突き付けられるのは、根本的な理解がズレているのかもしれません。

子どもが何を望んでいるのか?子どもへの理解を深める必要を迫られます。

そして、子育ては「実際の関わり方」の成果。親の愛は、彼らが望む形で与えてあげるのが一番心に届きます。なので、自分の心にピッタリとあった「聞き方」「伝え方」の対話の技能の練習が必須です。

技能なので、努力次第でいつでもどれだけでも改善できるのだという事も知って欲しいです。

トラウマ返しは、子どもが「親に変わって欲しい」と伝えているサインです。

せっかくのサインですから、ぜひ、しっかりと受け取っていただいて、ピンチをチャンスに変えていきましょう!

欲しい未来は自分で掴むしかありません。

現状をホンキで変えたいのなら、その姿をまず、親から示して、子どもに見せていく事から始めたいと思います。